“スク水がいいってより、
「自分で選んだわけじゃないユニフォーム」
だからいいんだ”
“『知識というサングラス』
情報通の人は、濃いサングラスをかけているように 本当は何を思っているのか、わかりにくいことがある 映画を見た後で感想を聞いても 「あの映画はAと言う監督がBという映画と Cというミュージャンへのオマージュとして Dという手法でEという世代のFという…」 というように、A、B、Cと固有名詞ばかりが並ぶ 並ぶ固有名詞の向こうに、その人の人となりや生活感は 消えてしまう 大学一年か二年の頃に会った川勝さんは、そういう印象だった 固有名詞の羅列の向こうに隠れて、人柄がよく見えない人 僕にはそういう知人が、大学にも、音楽業界にも大勢いた 時がたつと、固有名詞の陰に隠れて人柄が見えない人も だんだん人柄が見えるようになる 驚いたことに、情報の陰に身を隠していた人の多くは ある意味退屈な、普通の人たちだった 普通の心配事をして、普通の願いや妬みをもっていた そうか。普通なのがバレてしまうと困るから サングラスをかけるように、知識を並べて 自分が見えないようにしていたのか、と思った 二○○○年代になって社会の経済が苦しくなると 人の生活も苦しくなって みんなの人柄はより見えるようになった 英語でイーモ、日本語でエモ、という言葉が表れて 感情を吐き出すのが、流行りにさえなった そしてオーヴァーシェアリング、と呼ばれる 自分の生活を丸出しにする行為も ソーシャルメディアと一緒に広がった そんなこと知りたくないよ! という情報まで、友人や有名人が発信する時代 サングラスの向こうに隠れている人は、ほとんどいなくなった 僕が川勝さんに最後に会ったのは、九七年くらいだと思う でもおそらく川勝さんは、亡くなるまで 大量の知識というサングラスの向こうに 自分の生活を隠す人だったのではないかと思う 今となっては、そういう人はオールドスクールで 惜しまれる その一方で、大地震以来 サングラスの向こうに隠れていたはずの人たちが 自分の家族や日本という国を正直に心配し出す中で 川勝さんはどんなことを言ったか あるいはあくまでも言わなかったか 知りたいところだけれど、今はそれもできない 僕が一度川勝さんの、いい意味で汚れた部分をみたのは 九三年くらいに、川勝さんが酔っ払って 若い女の子を一生懸命口説いていた時だった それは見ていて恥ずかしくなるような、人間ぽい瞬間で 僕はとてもいいなあと思った記憶がある 図書館の司書の人が、スポーツの試合で熱狂しているのを見たように これからが楽しみな人を亡くしたと思います もう一度、かつてとはだいぶ違う社会の雰囲気の中で お話したかったと思っています 二○一二年五月 小沢健二 #ozkn”
“──で、「ルーキー」の石野卓球リミックスですが、どういう経緯で実現したんでしょう。
卓球さんにはいつかリミックスをお願いしたいってスタッフとずーっと話をしてたんです。で去年の「RISING SUN ROCK FESTIVAL」の楽屋裏で、卓球さんとか(ピエール)瀧さんとか(DJ)TASAKAさんとかとお話して。そのとき卓球さんが「サカナクション好きだ好きだ」って何度も言ってくれて。ホントかウソかわからないですけど(笑)。
──イヒヒヒ(笑)。
ウフフフ(笑)。僕がその空間にいるのが面白かったみたいで、それをみんなで楽しむみたいな空気感が漂ってて。話もたくさんしてくれて。
──目新しいやつが来たのでとりあえずいじってみる、みたいな?
なんかね、いじりもきたけど、僕に卓球さんと瀧さんのトークを披露してくれた、みたいな。サービスしてもらったような、そんな気がしたんです。それがあって卓球さん、やってくれそうだなと。ただ、タイミングが重要だと思っていて。自分がずっと聴いてきた人だし、年末のLIQUIDROOMのカウントダウンパーティにも毎年遊びに行ってるし、特別だったんですよね。今までもいろんな人にリミックスをお願いしてきたけど、ちょっと違う気持ちがあって。それでドラマの話が来て、シングルが出るって決まったとき、もうここしか頼むタイミングはない!と思って。で、お願いしたらやっていただけて。
──楽曲はサカナクション側の指定ですか。
指定です。リミックスは完全にお任せで。マスタリングはこっちでやらせていただいたんですけど。ただ、ドラマ主題歌のシングルに入るということはお伝えしました。それで卓球さんの意識が少し変わったかもしれないですね。なんかTwitterで僕の感想を気にしてくれてて。
──彼にしては珍しいかも。
らしいですね。今度まじめに話してみたいと思うけど……多分話してくれないだろうな(笑)。
──そんなことないと思うけど。
……卓球さんに限らず基本的に僕ダメなんですよ、コミュニケーションが。
”
“若林は雑誌『Quick Japan(Vol.99)』「オードリー特集」のインタビューで「(2011年頃から)諦めたんです」と心情を吐露している。ネタは面白いけど他の部分が面白くない、と言われるのがずっと怖かった。そうではない、とコアなお笑いファンにずっと認められたかった、とずっと思っていた。評論家たちの評価を気にして、一度足りともスベリたくなかったのだという。「なんであんなに頑なだったのかな。いきなり忙しくなって、怖くてしょうがなかったんでしょうね」。そしてそんな評価を「諦めた」ら、肩の力が抜け見えてくる世界が広がった。「まだまだ芸人としての僕は、ブレてます。でもそれでいいのかもしれない。(略)無理にブレを修正しようとせずに、やっていくのがいいんじゃないか」とそのスタンスを変えた。”
“由美 あと、曲を提供していただくといつも思うんですけど、ご本人が歌ってるデモテープを聴けるっていうのはホント贅沢ですよね。今回の卓球さんのデモも、そっちを皆さんに聴かせたら私たちのよりいいって絶対言われるから聴かせられないね(笑)っていうくらい良かったです。”
“久保 人生は基本的に、誰かに選ばれないんですよ。選ばれたりしない人生に自分がどう立ち向かうか、それがすごく大事。”